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新しい日本食はニューヨークから ― 2026年

新しい日本食はニューヨークから ― 2026年

February 5, 2026
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2026年に入ってからのニューヨークでは、日本食レストランの新規オープンに関する語られ方に、これまでとはやや異なる変化が見られ始めています。

寿司やラーメンといった分かりやすいジャンル拡張ではなく、すでに評価を確立してきた料理人やチームが、次のフェーズとしてどのような店を構えるのか――その設計思想に関心が集まっている印象です。

発酵技術の再評価、ノンアルコール・ペアリングの台頭、そしてテーブルサイド演出の再定義。こうした要素は、料理内容そのものだけでなく、レストラン体験の設計思想にまで影響を及ぼし始めています。

これらの潮流については、「2026年―美食の基準が変わる ~発酵・ノンアルコール・演出が再定義する『体験』の価値」にて整理していますので、あわせてご参照ください。

本稿では、そうした評価軸の変化を背景としながら、ニューヨークにおける具体的な日本食レストランの動きを、現場視点から見ていきます。

Odo がイーストビレッジで選んだ、次の一手

まず名前が挙がるのが、フラットアイアンでミシュランの評価を受けてきた Odo のチームによる新店舗です。

2026年初頭、イーストビレッジにオープンしたこの店は、従来より席数を抑えたカウンター中心の構成。会席料理をベースとしながらも、より日常的な距離感で利用できるスタイルが意識されています。

料理内容は本店の延長線上に位置づけられますが、コース構成や提供テンポはやや軽やかに再構築されており、近隣住民が「特別な日」だけでなく、「少し整えたい夜」にも足を運べる距離感が意識されています。

イーストビレッジという土地柄を踏まえれば、観光客向けの華やかさよりも、地域への定着を優先した選択と見ることができます。

なお、この店舗は開業時に大規模な宣伝を打ち出したわけではなく、業界関係者や既存顧客の口コミを通じて徐々に認知が広がっています。2026年のニューヨークにおける日本料理のあり方を考えるうえで、象徴的な事例のひとつと言えるでしょう。

Pizza Studio Tamaki がNYに持ち込んだ「東京の技術」

もうひとつ、性質の異なる注目例が Pizza Studio Tamaki です。

東京で展開されてきた同店は、2026年春にイーストビレッジでのオープンを予定しており、日本の製粉技術や長時間発酵の考え方を取り入れた「東京スタイル・ピザ」を前面に打ち出しています。

言うまでもなく、ニューヨークはピザ文化の中心地。そのなかで Tamaki が選んだのは、奇抜さではなく工程の差異です。

生地の発酵時間や粉の選定といった基礎工程に日本的な繊細さを持ち込み、味の主張は比較的抑制的に設計されています。

このアプローチは、日本食レストランとして括られること自体を目的としているわけではなく、「日本発の技術や思考が、NYの日常食にどう溶け込むか」という実験的側面も帯びています。

2026年以降、和食以外の分野で日本発ブランドがどのように受け入れられていくのかを占う試金石のひとつになりそうです。

再出発という選択肢:East Japanese Restaurant

新規オープンと並行して、既存店の動きも見逃せません。

ミッドタウンで長く営業を続けてきた East Japanese Restaurant は、2026年に店舗を移転し、内装および提供スタイルを刷新したうえで再スタートを切りました。

従来の日本料理、そして人気の蕎麦AZUMAの蕎麦を軸としながらも、手巻き寿司やコース構成を取り入れることで、現在のニューヨークの食事リズムに合わせた形へと調整されています。

大きな方向転換ではなく、「今の客層にどう応えるか」を丁寧に再設計した改装であり、長年営業を続けてきた店ならではの判断がうかがえます。

2026年の日本食シーンを語る際、新店だけでなく、こうした再構築の動きも重要な構成要素となっています。

これから名前を聞くことになりそうな Rei

さらに、正式オープン前の段階ながら、関係者の間で名前が挙がり始めているのが Rei という日本食レストランです。

現時点で詳細情報は限られているものの、クラシックな和食を基盤としつつ、ランチやアラカルトにも対応する構成が検討されているとされています。

2026年は、このように「静かに準備されている店」が少なくありません。開業時点で完成形を提示するのではなく、営業を重ねながら徐々に輪郭を整えていく...そうした立ち上げ方も、近年のニューヨークらしい動きと言えるでしょう。

2026年の日本食オープンから見えてくるもの

2026年のニューヨークにおける日本食シーンは、単なる新規出店の増加ではなく、成熟した料理人やチームが「次にどのような形で店を構えるのか」という設計思想に注目が集まる一年となりそうです。

席数、立地、価格帯、提供スタイル

いずれにおいても過剰な拡張を避け、持続性と日常性を意識した店づくりが共通して見られます。派手さではなく、都市に静かに根付いていくための調整。その積み重ねが、今後のニューヨーク日本食の基準を形作っていくのかもしれません。

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