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ニューヨークで何が始まろうとしているのか|2026年後半の日本食業界を読む

ニューヨークで何が始まろうとしているのか|2026年後半の日本食業界を読む

June 11, 2026
ニュース

2026年のニューヨークの日本食シーンは、すでに春から上半期にかけて大きな動きを見せていました。寿司、おまかせ、ラーメン、居酒屋系コンセプトなど、日本食の選択肢はさらに広がり、ニューヨークが日本食トレンドの発信地であり続けていることが改めて感じられます。

その上半期の流れについては、こちらの記事「新しい日本食はニューヨークから ― 2026年」で紹介しています。

今回の記事では、その続編として、2026年後半以降に注目される新しい日本食レストランを取り上げます。すでに話題になった店舗の振り返りではなく、これからニューヨークで動き出す新規プロジェクトに焦点を当てることで、日本食業界の次の流れを見ていきます。

Sushiro Times Square

ニューヨークで最も話題になっている日本食の新規案件の一つが、Sushiroのタイムズスクエア進出です。

出店予定地は667 Eighth Avenue、West 42nd Street付近。Port Authority Bus Terminalにも近い、マンハッタンでも特に人通りの多いエリアです。

店舗は約9,000平方フィート、3フロア構成とされています。1階と2階は回転寿司のメインダイニング、地下にはプライベートダイニングと寿司バーが入る予定と報じられています。

Sushiroは大阪発の回転寿司チェーンで、日本国内だけでなくアジア各国にも展開しています。今回のニューヨーク店は、同社にとってアメリカ初の常設店舗となります。

メニューは寿司だけでなく、ラーメン、そうめん、茶碗蒸し、デザート類まで含む予定です。デジタルキオスクで注文し、ベルトで商品を受け取る、日本の回転寿司らしいオペレーションになる見込みです。

参考:
Food & Life Companies
Eater NY

MITANI New York

高級寿司の分野で注目されているのが、MITANI New Yorkです。

東京・四谷のSushi Mitaniによるニューヨーク店で、Lotte New York Palace内にオープンしました。Mitaniは、寿司とシャンパーニュ、ワイン、日本酒、冷茶を組み合わせる「Mitani Mariage」で知られる店です。

ニューヨーク店は、2つの個室空間にそれぞれ6席のカウンターを置く、非常に小規模な構成となっています。大箱ではなく、限られた客数に対して、寿司とペアリングを一体化した体験を提供するスタイルです。

Madison Avenueのホテル内という立地も含め、富裕層、接待、寿司愛好家を強く意識した店舗といえます。

参考:
MITANI New York
Lotte New York Palace

UMI NYC

Atlanta発の高級日本食レストランUMIも、ニューヨーク進出を予定しています。

出店予定地は63 Madison Avenue付近。Flatiron、NoMad、Madison Square Parkに近いエリアです。

UMIはAtlantaで長く人気を集めてきた日本食レストランで、ニューヨーク店ではメインダイニング、寿司バー、プライベートダイニング、少人数制のおまかせルームを備える予定とされています。

寿司プログラムを率いるのは、ニューヨークでも知られるKazuo Yoshida氏です。Juku、1 or 8、Jewel Bakoなどでの経歴があり、「Uni King」としても知られています。

メニューには、Uni Risotto、Lobster Toban-Yaki、Wagyu Carpaccio、Otoro Caviarなど、UMIの代表的な料理が入る予定とされています。

参考:
Eater NY

Sushi Yoshitake at COTE 550

550 Madison AvenueにオープンしたCOTE 550の中でも、日本食業界から注目されているのがSushi Yoshitakeの計画です。

COTE 550は、Flatironで人気を集めた韓国系ステーキハウスCOTEによる大型プロジェクトです。550 Madison Avenueという象徴的なビルの中に、約15,000平方フィート規模のレストラン空間を展開しています。

その中に、東京の寿司職人・吉武正博氏によるSushi Yoshitakeが入る予定と報じられています。

吉武氏は東京・銀座のSushi Yoshitakeで知られ、香港にも展開しています。ニューヨークでの展開は、COTEという強いレストラングループの中に高級寿司が組み込まれる点でも注目されます。

参考:
550 Madison / Gracious Hospitality
Eater NY

SORA at One Grand Central Place

Grand Central周辺では、SORAという大型日本食コンセプトも計画されています。

場所はOne Grand Central Place。One Vanderbiltの向かい側に位置する、マンハッタンのビジネス中心地です。

報道によると、SORAは約14,430平方フィートの大型区画に入り、複数のダイニングルームを持つ高級おまかせスタイルのレストランになる予定とされています。

Grand Central周辺は、オフィスワーカー、出張者、観光客、接待利用が重なるエリアであり、大型日本食レストランとの相性が高い立地です。

参考:
Empire State Realty Trust / Business Wire
New York Post

Shaver Hall

Fifth Avenueの旧Lord & Taylorビルに開業するShaver Hallにも、日本食関連の注目店が入る予定です。

Shaver Hallは約35,000平方フィート規模の大型フードホールで、複数のレストランやカウンター業態が集まる施設として計画されています。

日本食では、シカゴの寿司シェフBK Park氏によるおまかせとハンドロールカウンターが予定されています。また、ラーメン店Tonchinのフードホール業態も入る予定と報じられています。

フードホールという形式ながら、単なるカジュアル店舗だけではなく、寿司、ハンドロール、ラーメンなどを組み合わせた日本食の存在感が強いプロジェクトです。

参考:
Shaver Hall
Eater NY

まとめ

2026年のニューヨークでは、Sushiroのような大型チェーン、MITANI New Yorkのような高級おまかせ、UMI NYCのような地方都市発の人気日本食、COTE 550内のSushi Yoshitake、Grand Central周辺のSORA、Shaver Hallの日本食カウンターなど、異なるタイプの日本食プロジェクトが同時に動いています。

これは単なる新店ラッシュではなく、ニューヨークの日本食市場がさらに細分化され、それぞれ異なる業態と顧客層に向けて進化していることを示しています。

回転寿司のように大量客数を前提とした業態、ホテル内の高級寿司、大型商業施設の日本食、フードホール内のハンドロールやラーメン、高級レストラングループの中に組み込まれる寿司。

同じ「日本食」であっても、そこで求められる体験価値も、必要とされる人材も大きく異なります。

その意味で、2026年後半から2027年にかけても、ニューヨークでは寿司シェフ、キッチンスタッフ、店長候補、サービスマネージャー、オープニングスタッフなど、日本食人材への需要は引き続き高い状態が続くと考えられます。

今後は、単に日本食の経験があるだけでなく、どの業態に強みがあるのか、どの現場で力を発揮できるのかを明確にすることが、キャリアを広げるうえでより重要になっていくでしょう。

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